2024/10/05 17:12

今年の夏は何もかも暑さのせいにして

日々が通り過ぎるのを

ただただやり過ごしてしまった気がします。

そんな、ぼやけた記憶をたぐりよせて…
8月と9月のことを少しだけ。

この夏、農作業のお手伝いは
身の危険を感じることも多く、ほんのちょっとだけに。
「こんな夏が続くなら、いったいどうやって生きていくのがいいかなぁ」
地域の農業のこれから、
夏の生活の仕方、、、
つらつら考えてはまとまらず、悶々としていた8月。

なんだか退化しちゃっているのか?いやいや、この暑さ、ふつうに生きているだけで万々歳でしょう。
と、自分をなだめる日々。

この酷いというしかない暑さの中
農作業を行うことがどれだけ大変か。
畑の恵みを分けていただけることに感謝しかなく、年々厳しくなる状況で、農業を続けていくことの恐ろしさを感じたりもします。

体力、精神力、たっぷりと注いできて
収穫できるかどうか…天候次第で最後までわからない。

「天気に不平を言わずに、
平常心を心掛けています。
一喜一憂するのに疲れ気味(笑)」

ある農家さんの、その一言
痛いくらい響きました。
そう思わないと身が持たない農家さんたちの現実。

この夏は厳しすぎた。
はてさて来年以降はいったい…?

・・

月が変わって、
お彼岸、お月見、秋分…
巷では一気に秋の雰囲気を漂わせる9月に。
ただその言葉はしっくりとせず、
「残暑はいつまで続くのか〜」と嘆く毎日。

そしてやってきたのは、台風、雷雨が続く季節。
そう都合よく雨は降ってくれずに、
畑はカラカラ、作物は必死に身を守る。
瀕死の状況に見ているのが辛くなるほどでした。

遠くに雨雲…雷鳴を感じる度に
こっちに来い、こちらにも雨を降らせて!
自然とそんな気持ちが募って

お供えをして踊りを踊り、神様に祈りを捧げた昔の人たちの気持ちになんとなく共感するような、あとは神頼み、と雨を乞う日々。

そんなこんなで厳しかった夏。
夏なのに夏野菜が少なかった今年。
きゅうり、トマト、ナス…
もっと食べたいなとの思いを残しつつ
とうとう終わりが近づき、
新米の季節がもうすぐそこ。
稲穂がこうべを垂れはじめました。

「雷は、稲を実らせる夫(つま)、雷の多い年は豊作になる」

稲妻が走り、稲が実る。
空気中の窒素が雷によって雨に溶け、稲穂の栄養となる。
ことわざにはしっかりと根拠があるらしく、
自然や農に近かった昔の人たちが言い伝えや
残していった言葉や物語には、
今は目に見えていない深いところの知恵などがたっぷり詰まっていそうです。
これからについて、これまでのところから学んでみようかと意識した9月のいつか。

台風が過ぎ去って、
澄んで響く秋の虫の声。
纏わりついてきた虻が一気に畑から姿を消す。

夏野菜は土に還り、端境期がやってきます。


ごぼうの花とペケレ畑