2024/07/30 11:58
暑い暑い…。と言いながら毎日を過ごしていたらあっという間に7月も終わりが近づいてしまいました。
7月20日頃に梅雨が明けてからは
入道雲がもくもくと広がりあちこちで盛り上がる蝉の大合唱。
シャーシャーシャーー、ジージージージー・・・
関東で聞いたようなミーンミンミンの声は今のところ聞けていません。
糸島では蝉の種類も違うようです。
日差しも季節でこんなに変化するのかと、畑にでる度に実感しています。
6時、蒸し暑いけれどまだ大丈夫!外でも作業ができるな。
7時、あれ、、もう日差しが強くなってきた気が…
8時、風が吹かないと汗がポタポタ…
9時、うう、、暑い・・・。
10時には日も高くなり、それ以降は日なたにいるのは身の危険を感じるほどです。
太陽の光が素肌にジリジリと突き刺さり、長靴を通してギリギリ焼きつけられるような感覚。
農家さんたちも、早朝と夕方の作業に切り替えてなんとか凌ぐ、厳しい夏本番の暑さの到来です。
野菜もこの暑さで花を落としてしまい、実にならないものも多いようです。
夏野菜の代表ナスも、まだ生育が不安定だったり虫に食べられてしまったり。
このままだと9月が旬になり、ナスは秋野菜になっていくのかもしれません。
ゆっくり育って味が詰まった秋茄子は美味しいけれど、夏野菜が夏真っ盛りに採れないなんて寂しくもあります。
畑で元気な姿を見せてくれるのは、空芯菜や、モロヘイヤ、ツルムラサキ、ゴーヤ、オクラ、パッションフルーツなど。
the沖縄野菜といった感じです。
「トマト、きゅうり、ナス、ピーマン」などの夏野菜の王座が奪われてしまったかもしれません。
糸島も亜熱帯地域となる日が近そうですね。
「これまで作り続けてきたものを、どうやって育てていこうか」
「これからこの場所で育てられる野菜って何になるだろうか」
こういった問いは、気候や四季の変化と共に農家さんたちにとっての命題となっています。
自然の力を生かし育てる農業だからこそ「この品種を育て続けたい」と思っても
土地の自然環境に合わないものを無理に作ろうとすると、それなりの設備とエネルギーが必要になってしまう。
できるだけ適地適作で作り続けられることが野菜にとっても環境にとっても良いように思います。
野菜もですが、人間も。無理せず自然に合わせていく工夫が必要になるよなぁと。
暑さに負けない!と頑張り過ぎず、時にはさらりと受け流せるような暮らし方をしていきたいものです。
昔々から受け継がれてきた食文化も環境に合わせて紡がれてきたものだとしたら、
数十年後の食卓は今と全く違うものになっていてもおかしくはないはず。
今後この地域にはどんな作物が根付いていくのだろう。
何を食べたいと感じ、どんな食卓になるのだろう。
暮らし方はどう変わるのだろう…。
もちろん、伝統的な日本の食文化の奥深さに敬意をはらい、
学び受け継ぐことにも気持ちを向けつつも、
暑い夏を乗り切るためにこれからの人たちがどう工夫して新たな暮らし方や食文化を生み出していくのか、
はたまた、沖縄などの亜熱帯地域の暮らしに似通っていくのか。
さて何を作ろう?と、目の前のオクラとモロヘイヤを眺めて、
「暑すぎる時にはスパイスがガツンと効いたカレーでしょ!」
もはや日本食のように独自の食文化を築いたカレーライスの歴史に思いを馳せつつ、
キッチンで妄想をふくらませています。




少し前に開催された農家さんたちが集った納涼会での料理の数々。
旬の野菜をたっぷり使ったお皿がずらりと。
来年、再来年…どんな料理が並ぶかな。
時代に合わせて変わっていっても、きっと、畑に近い食卓はその土地の恵みを生かしたおおらかな魅力にあふれているはずです。