2024/06/18 15:33
畑に響く鶯の歌声
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晴れ間が続き夏日であっても風は涼しく過ごしやすい季節です。
ただ初夏の日差しはジリジリと力強く畑では気づいたら汗だく、無理は禁物の時期でもあります。
畑しごとを手伝って、良い汗をかいて、日陰でごろり、ふうっとひと休み。
そんな時間がとても好きです。
流れる風も心地よく、揺れる木漏れ日のなかで賑やかなのは鳥のさえずり。
イヤホンや車のスピーカー、家の中でも音を流さないと落ち着かないたちなのに、ただこの環境にいるだけで音楽に包まれている気分になります。
ホーホケキョ、の鶯の声。これも色々とバリエーションがあるのを知り、わっと驚く美声との出会いも嬉しいもので、季節によって歌い方も声色も変わるのだなあと発見しています。
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季節も次へと
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春野菜の代表、青豆のシーズンが終わり畑の片付け作業真っ只中。
最後の実りを収穫して(採りきったそら豆で自家製豆板醤を仕込んでみました)
豆の樹を引き抜き、
畑に張っていたマルチ(畝のカバー)を剥がし、耕せる状態にして次の野菜づくりへ。
春から夏へ、夏から秋へ…。栽培の切り替えの時期に重なる作業で、次はこれ!あれの準備も!と言いつつあの野菜の収穫もしなくちゃ!と気が急いてしまうのがこのタイミングです。
そして、草の繁る速さが急上昇するのもいま。
そこいらじゅう草、草、草…
梅雨前のいまは植物の成長が著しくて、空気もぎゅっと濃厚な青々しさを漂わせています。
いやぁそれにしても、雑草と言われる様々な植物たちの生命力はすさまじいもので、私たちがおいしく味わうために育てられている野菜とはやはり違うものです。
「草を刈って後ろを振り向いたら、もう生えているって感じだよ」
農家さんたちがよく笑い合うこの言葉は、冗談ではないなと実感するスピード感なのです。
草刈りは終わりが無い作業。
あと何回これを繰り返すんだろう…なんて頭で考えると嫌になります。
なので目の前のことだけ見て手を動かす。集中、シュウチュウ…
夏の時期の恒例行事として割り切って、
考え方をなるべく切り替えて…。
少しの時間なら、とても良いメディテーションになるんですけどね。
そしてこの時期の恒例はジャガイモ掘り。
こちらもなかなかの重労働なのです。
一株ずつ(芋を傷つけないように程よい距離をあけて!)体重をかけてザクっとスコップを土に。テコの原理で掘り起こし、芋を探し集める。コンテナに分け入れて、運搬、貯蔵する。
収穫した芋の重みは嬉しくとも、無理をすると足腰がやられてしまうのは確実の重労働です。
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手をかける、身近な関係
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1人で芋掘りは、無理だよなぁと思います。2人でも、やっぱりきついよなぁと思います。
農作業は1人より2人。2人より3人。
「1人が2人になるのも、2人が3人になるのも、2倍3倍以上の効果があってとっても助かるんだよ。」
不慣れな畑作業で逆に負担になっていないかと心配しても、農家さんたちはよくこの言葉をかけてくれます。
家庭菜園ならまだしも、個人や家族で小さく営農されている方にとって人手は大切。農薬などに頼らず手間をかける農法をしていたらなおさらです。
普段農作業をしてない人にとっては、たまの畑作業は思いがけず新たな視点を見つけたり良いリフレッシュに。普段使わない筋肉や思考回路、汗をたっぷりかくから皮脂腺も?しっかり活性化していい刺激になるものです。
暑さで体力も奪われて、身体が資本の力仕事が多くて、草刈りなどの終わりの見えない作業もずーっと続いていく。
そんな当たり前に気持ちが折れそうな状況なのだから、楽しんで協力してくれる仲間がいるというのはやっぱり励みになると思います。
そんな仲間作りをしたいなぁと思って
最近は身近な人たちを畑へ誘っています。
あっという間に作業が終わると、わー!気持ちいい!と嬉しくなります。
畑の植物、野菜や虫や鳥などへ新鮮な反応をしてくれて、子供のようにわいわいと賑やかな作業風景をみていると
農家さんにとっては日常で当たり前になっている農という営みの豊かさ、包容力みたいなものを再認識する機会にもなるなぁと感じています。
そうやって、楽しみながら、価値を共有しながら
周りの人たちが一緒に手をかけること、
農家さんたちの気持ちの余裕を守っていくことは
私たちの次の世代、次の次の世代のためにも大事なことだと思っています。
でも、なんだかんだ言って
自分が関わった作物を頂く喜びはとても大きくて、何倍何十倍も美味しく味わえるというのが最大の魅力かもしれません。
皆さんも機会があればぜひ、
農家さんのお手伝いに行ってみてくださいね。
2024/6月のある日
